tuusinnlogo.jpg - 9,054BYTES
No.96 2010年2月 3面
 
市民ネットワーク 12月議会レポート

岡田 さわこ
保育所、保育士の自己評価制度の導入を!
子どもの権利が守られる保育とは?

 野田市内の公立保育所の長時間保育指導員から日常の保育に問題があるという相談がありました。「日常的に手をピシャリと叩かれる」「子どもの名前を呼び捨てにしている」「2歳児の部屋では、床にガムテープが貼られて、出席をとる時など正座をさせられ、テープからはみだすと怒鳴られる」「抱っこしてと言うと赤ちゃんのクラスに行きなさいと言われる」「1歳児はお昼寝の前にトイレに丸裸で行かせている」などの保育が行われているという内容でした。児童家庭課に相談しても体罰を容認するような保育をしつけだと主張し現場に任せてとなっていたのです。

保育所を視察してみると
 平日と土曜日の2日間にわたり保育所に視察に行くと改善が必要な点がありました。1歳児の給食の時間では、おかずを1つ1つ味わうことをしないで全て混ぜてごはんの上に乗せ食べさせていました。良く噛んで、食べる意欲を育て味覚の形成を培うことよりも、早く食べることが目的となっていて、食育の点からも間違った言葉かけがされています。1、2歳児のお昼寝の前に心地良い眠りに誘うBGMや創造性を膨らませる絵本の開き読みが必要ですが、早く寝かしつけることが先行されていました。また1、2歳児ならば保育中に何度も抱っこされる場面があって当然ですが、見られませんでした。

岡田 保育の現場でしつけという大義名分を使って、軽くでも叩いて叱ったり、子どもを怒鳴ったり、呼び捨てにすることは子どもの人権を大切にする保育ではないと考えます。保育指導員の採用にあたって児童家庭課や保育所長の面接がなく、いきなり保育室での保育をしていると聞いていますが、事前に保育観やどんな子育てをしたのかを確認したり、保育所保育指針や野田市保育理念の説明はしているのでしょうか。
保健福祉部長 通常の面接試験は行っていません。所長と先輩の保育士から学んでもらいます。
岡田 保育所保育指針が改正になり、自己評価のガイドラインが出て近隣市でも取組みがされています。船橋市では、保育士に自己評価表を提出してもらい、保育課で分析してから、所長・主任・栄養士・看護師・保育課のチームで保育所をまわり、クラスごとに保育の良いところ、改善するところを検証して考えてもらうことをしています。指摘された保育士は、他の保育所に見学に行き、自分たちの保育を振り返る研修をして、必要とあらば全部の保育所で共通認識をもち話し合うこともするということでした。野田市でも是非実施するべきです。
保健福祉部長 現在、ガイドラインに準じて実施している保育所があります。実施する方向で考えていきます。

岡田さわこのコメント
 これまで現場の保育士の雇用が安定し継続して保育出来ることが保育の質を保つことに繋がると考え、公立保育所の指定管理者制度の導入や正規職員が減らされていくことに反対してきました。市が予算を回さないために保育現場に影響を及ぼしているのです。野田市が長い間、子どもの権利を守る保育をしてこなかったとすれば、評価制度だけを取り入れたとしても保育の質の向上まで行き届かないのではないでしょうか。


保護者無視の学童保育所委託問題
保護者の意見を取り入れて!

 第二学童保育所の分割(市長は新設と言い張り、保護者の合意はいらないと答弁した)の説明会が12月1日に保護者や指導員70名近い出席の中で開かれました。市側は、分割する学童保育所のほんの1行ずつの説明文が載っているだけの不十分な資料の提示をしただけでした。保護者の怒りと不満の声があがり、夜の10時半にも及びました。「七光台学童では説明会を何度でもすると言ったのに、打ち切ったのは約束違反ではないのか。過密化を解消したいのは、保護者も一緒。市は保護者が反対して理解が得られないと言っているが私たちの本意ではない。プレゼンテーションをきちんと行って、保護者の意見をいれてほしい」これに対して市は9月議会答弁と同じ「新設だから市が責任をもって作る」の一点張りでした。かたくなに保護者を無視する市の姿勢は許せません。




前のページへ        次のページへ