市民ネットワーク 12月議会レポート

岡田 さわこ
STOP! 「全国学力・学習状況調査」

 全国の小学校6年生と中学3年生を対象に4月24日に行った「全国学力・学習状況調査」( 学力テスト) の結果が10月24日に公表されました。採点現場では、同じ解答で○と×に分かれるなど混乱し、結果の信頼性に疑問の声が出ています。また、文科省の分析結果( 地域間の格差が少ない。就学援助率の高い学校ほど正答率が低い傾向。基礎的な知識に比べ活用する力が低い。) は、すでに周知されているものでした。77億円も税金を使って、子どもや家庭のプライバシーに踏み込んで全員に受けさせる必要はなく、抽出調査で十分でした。

岡田 今回の学力テストは、保護者からも「子どもに対してのコメントもなく無駄だ」との声があったように答案用紙は返さず、子どもたちに返されたのは調査結果だけでした。実施から半年もたってこのような結果だけもらっても学習意欲につながらないと考えますが見解を伺います。
教育部長 文科省の処理は、批判を受けても仕方がないと思っています。返されたものを活用するか考えていきます。
岡田 来年度も実施するということでしたが、現場の教員の意見を聞いたり、教育委員会議で話し合われたのか伺います。
教育部長 流山市では議論があったと聞いていますが、野田市の教育委員会議では、経過の説明をしました。現場の意見は聞いていません。

岡田さわこのコメント
 不参加とした犬山市では、教育委員会会議で何度も協議を重ねた結果全国一斉の学力テストで競争原理を教育に持ち込むことに危機感を抱き、国の教育改革の方向性について全国に向けて問題提起をしました。「結果の分析は該当学年に役に立っていない」などの現場の声を聞こうともせず、文科省の言われるがままにすすめれば、各学校の独自性が失われ、学校や子どもたちの格差を招いてしまうことは東京都の現状を見れば明らかです。まずはゆとり教育の検証を行い、教員を増やし、少人数学級にしていくことで子どもたちの意欲を育てることに力を注ぐべきだと考えます。


CAP教育プログラムを学校に広げよう!

 CAP( 子どもへの暴力防止) は子どもたちがいじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といったさまざまな暴力から自分を守るためのプログラムです。11月13日に南コミュニティセンターで「CAPなのはな」主催の大人ワークショップを受講しました。
 このワークショップは規定のトレーニングを終了した3人のCAPスペシャリストの問いかけに参加者が自ら考え、意見が言える参加型、体験型学習です。いじめにあった時と解決した時の2通りの寸劇を見せながら、子どもの大切な3つの権利「安心」「自信」「自由」を具体的に感じながら体験できました。
 CAPは、プライバシーが守られる場所で、心配事のある子どもの相談にのり、暴力から身を守るように、子どもと一緒に考えて具体的なアドバイスをしています。また、必要に応じて子どもの了解をとり援助機関につなぐ対応をしています。
 近隣の柏市では、来年から市とCAPなのはなが共同事業として全部の小学校4年生を対象に実施する予定です。市原市、君津市でも教育委員会の職員がワークショップに参加したうえで予算をつけています。このことはCAPプログラムが確実に評価を得ているということです。今回CAPプログラムを小学校に取り入れるように要望しましたが、残念ながら「不審者対応非難訓練の積み上げがあるのでCAP導入はむずかしい」ということでした。
 不審者対応の避難訓練は学校内に限定されています。現在、パトロールを強化したり、不審者対策のプレートを家の前に貼り付けたりしていますが、子どもを完璧に守ることができるのでしょうか?
 また、昨年柏児童相談所が出した児童虐待受理件数の330件のうち297件が家庭からの虐待でした。子どもが身近な人から暴力を受けている現状を解決しなければなりません。そのためにも子どもはおとなが守るべき弱い存在だと見るのではなく、子ども自身が問題を解決する力を引き出す『CAP』を是非広げていきたいと考えます。


議案・委員会より
●保育所に「派遣保育士」?
 保育所の待機児童数の増加を解消するために市の臨時保育士を増やす代わりに民間企業からの「派遣保育士」を検討していくことが明らかになった。市は、3年を超えなければ労働派遣法に抵触しないと答弁した。しかし、派遣法は、国会でも本来常用雇用であるべき仕事を派遣で代替することのないように付帯決議がつけられている。保育士を民間企業から派遣させるということは3年ごとに保育士が変わることにもなり、子どもたちに大きな影響があるとして強く反対した。






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