みんなで 核廃絶!! Prat2
槌田 春美

 こんにちは。ご縁があって今号から原子力発電、核問題についてご報告させていただく槌田です。主に東京の「たんぽぽ舎」という所を起点に反原子力発電、核廃絶市民運動をしています。様々な環境、社会問題で活躍されている野田市読者の皆さま、この機会に「核廃絶」社会をめざし情報交換しませんか。
 ここに1冊の本があります。大石又七著「ビキニ事件の真実」です。日本のマグロ漁船第5福竜丸がアメリカの水爆実験「ブラボー」により被爆したのは1954年3月1日。23人の被爆と久保山愛吉さんの死は、原水爆禁止運動の原点となり、画家ベン・シャーン氏のラッキー・ドラゴンシリーズとして紹介されました。しかし日本政府はわずかの見舞金と原子力技術の日本への導入という米国との「政治決着」により、念願の原子力技術を手に入れ、被爆者への一切の補償を打ち切りました。ここに日本の原子力発電・核開発は幕を開けました。著者の大石さんは1983年まで癌と戦いながらも被ばくの事実を公にすることはできず、同年頃より、全国の小・中・高校を回り、子どもたちに核の恐ろしさとビキニ事件の真実を伝えるべき活動を始めました。本の巻頭に大石さんの被ばく直前の写真があります。19歳、海の太陽を見続けてきたかのような明るい健康的な笑顔に釘付けになりました。私は大石さんにたんぽぽ舎のいろり端会議でお話を伺いました。笑顔は優しさを増し、ただ闘いは「かくも長かった」事実に私は胸がふさがりました。
 おりしも電力会社の隠蔽体質は暴露され、3つの臨界事故が明るみに出ました。99年には東海村の原発燃料、ウラニウム精製施設における臨界事故で住民の被曝と2名の死者を出しました。日本の原子力行政は知れば知るほど。私たちが「今」生きていることが不思議なほどずさんな、隠蔽体質です。
 つたない連載ではありますが、紙面を通じ伝書鳩となり皆さまに原子力をめぐる情勢をお伝えするとともに、核のない世界をめざし、ともに活動していきませんか。アトランダムな連載です。皆さま、気が向いたらお付き合いくださいね。次回は地震問題で。


野田市教育委員会 各位殿
 鬼才芥川龍之介が自裁して80年目。だからというのではありませんが、物議をかもしながら野田氏でも実施した全国一斉学力テストの中3国語B(記述)問題に龍之介作「蜘蛛の糸」がとりあげられました。起承転結明瞭な小品です。問題の設問は結の章があったほうがいいか、ないほうがいいかの二つに一つを選び出させ、100字前後で書けというものでした。主人公カンダタは蜘蛛の糸が切れたため再び地獄の血の池へ堕ち、それを見ていたお釈迦様は無言のまま去っていく場面です。さてあなた様ならどちらを選びその理由をなんと書かれたことでしょうか。文部科学省でやっていることだからと逃げてはなりません、愛知県犬山市のように実施を拒否した自治体もあるのですからお応えになる責任義務はあるのです。
 もう一つ、中3といえは心理的離乳期といわれるほどに自分の将来、適性、異性、家族や社会また宗教について一種の対決を迫られる年頃。自裁願望や神経症にかかる初期青年の数が病死や事故死より多いことが示すように不安定期の彼らに為政者、いや出題者は設問の記述解答から何を読み取ろうとしているとお考えですか。競わせ追い詰め、落ちこぼれ学校・生徒を排出する装置としての全国一斉学力テスト実施の手足となってお働きの教育委員会各位、小生の素朴な質問に本紙を通じてぜひご返事をお寄せください。たのしみにしています。

子どもと教科書東葛ネット21・野田
事務局長 小堺 俊彦




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