市民ネットワークレポート 3月議会より

中井 洋子
          市民ネットが求めていた
個人情報保護 一歩前進!
〜住民基本台帳〜

 突然のダイレクトメールに自分や家族の名前・年令・性別など、なぜわかるのだろうと不快な思いをした人は多いと思う。市町村窓口の「住民基本台帳」で誰でも住所・氏名・年令・性別の4つの個人情報を見ることができる。

 住民基本台帳の大量閲覧が情報源となった架空請求や不当請求が増えている。また高齢者世帯や一人暮らしなどの世帯構成の情報も簡単にわかり、狙いやすいところをターゲットにした事件が起きている。名古屋市の母子家庭の女子中学生を狙った犯罪は、この台帳を悪用したものだった。
 市民ネットワークではこの個人情報の流失を止めるには、企業や業者が大量に閲覧するのを阻止する手立てが必要だ。やっと今回「大量閲覧を防ぐために閲覧料金を通常より高く設定する」と答弁を得た。一定の抑止策になるので評価したい。
 しかし毎日のように流出している個人情報を阻止するために、業者の閲覧を「禁止する」自治体が増えている。そして4月からの個人情報保護法では、個人データーを取り扱う事業者にも義務付けが求められている。
 急速に個人情報保護の流れが高まる中で、「なにをしても悪意があれば破られる」という市長だったが、このような答弁では、市民の個人情報を守れるのか心許ない。さらに一歩踏み込んで業者閲覧を禁止する必要がある。

先送り! 学校の耐震工事
 首都直下地震の危険性が高まり、文部科学省は5年以内の学校耐震を求めている。野田市では合併後に学校耐震化ができるとしていた。耐震工事までに建物の診断、設計が必要だが着手したのは福田第一小だけ。

中井 市では17年度、中央・宮崎・東部・南部・北部・川間・福田・第二・清水台・柳沢・山崎・岩木小学校、第一・東部中学校の計14校の体育館の耐震診断を計画していた。しかし17年度予算に耐震診断の予算が計上されていないが、どのような計画で進めていくのか。また1校あたりの診断費用はいくらか。
教育委員会 小学校1校(柳沢小)の耐震設計を予定している。診断にかかる費用は150万円である。
中井 なぜ1校だけなのか、残り13校の耐震診断だけでも早く実施するべきではないか?
教育委員会 限られた財源のもとで常に見直しをしながら、その都度何を優先するか判断していく。
(まとめ 角田 敬子)
中井洋子のコメント
 診断費用は全体でも2千万円弱ぐらいで済む。また関宿地区の学校はすべて診断が終わっているのだから、すぐに設計や工事に取りかかるべきだ。財源を言い訳にした人命軽視ではないか。他市では優先して学校耐震を進めている。

議会に注目
どんどん、おかしくなる!!

 3月議会でまたも議員の驕りとも言える事件や発言があった。ひとつは市道に高梨守議員が産業廃棄物を不法投棄し、市から現状復帰命令まで出されていたというものだ。経緯を聞くと、その道路沿いの工場が低くなっているため、雨天のときに大量の雨水が敷地内に流れてくるような状況だったらしい。市では土嚢を積んで対処したが効果がなく、話を聞いた高梨議員が産業廃棄物と思われる建設残土を市道に大量に投棄したという。これは弁明のしようのない法律違反だ。また不法投棄は市の抱える頭の痛い問題として議会で何回もとりあげられてきたが、市長はこれに対して「本来市がやるべき仕事で市の責任もある」と、まるで不法投棄を擁護したようなとんでもない発言をした。高梨守議員の「議員辞職勧告決議」は多数決で可決したが、本人にやめる意思はない。
 もうひとつは東武鉄道から購入する船形の土地3万8千uに関する議案討論のときだ。越智議員は土地購入に至る不透明な部分について「障害者施設の重要性は十分考慮し賛成するが、なぜあんなに細切れになった使いにくい形状のところの土地まで買う必要があるのか、企業救済ではないか」と討論を行った。すると野口義雄議員が「地権者として黙っていられない!」と討論をはじめ、野口議員自らがその土地の地権者であり、困っていたところを市が買ってくれたので助かったと議会で発言したのだった。
 市議会議員は行政を監視し、条例などを審議決定する立場にあり、一般市民以上に法令遵守・尊重しなければならない。そのためには公平な立場で、自らの利益を優先するなど断じてあってはならない。こんな市民感覚からずれた議員が、平気で市民の代表としている野田市議会である。来年は議員の改選期だが、日頃からしっかりと議員の活動や主張を知るために、議会や審議会の傍聴にもぜひ足を運んで欲しい。

学校調査で判明
子どものアレルギー急増

 文部科学省は子どもの各種アレルギーが増加傾向であることを重要視し、対策を検討するため17年1月に各市町村の小・中学校を対象に調査を行った。

 保護者が学校に提出したこれまでの健康調査書などを集約した野田市の調査結果は、小・中学校合わせて喘息1166人・アトピー性皮膚炎940人・アレルギーによる鼻炎1246人、結膜炎649人・食物アレルギー327人・腹痛や呼吸困難による重症の食物アレルギーのアナフィラキシー疾患10人(全て重複回答)だった。すべての学校に各種のアレルギー疾患の子どもがいるということだ。
 野田市では、アレルギー除去食や代替食で給食を行っている。しかしその他の対応については、各学校様々で、認識に差があるようだ。食物アレルギーの一環であるアナフィラキシーは、聞きなれないアレルギー名だが、ショックを起こすと命にかかわることもあるので、文部科学省も調査対象としたものだ。しかしアナフィラキシーについての認識は十分でなく、31校中20校がこの項目に応えられていない。このようにアレルギー全体の認識が学校によってバラツキが見らるれので、研修などで教職員全体の共通理解を図り、保護者との連絡体制をとって欲しいものだ。
(中井 洋子)

前のページへ        次のページへ