リサイクルせっけんを使う暮らし Prat1
NPO法人せっけんの街 菊地 多鶴恵

 現代は水(川)の流れが人々の目から遠ざけられているためか水に対する関心が薄れてしまっているように思います。私たちが使った水はまた私たちの所に帰ってきます。水を使用する側がその責任の重さを自覚しないまま暮らしているというのが現在の私たちのあり様ではないでしょうか。
 千葉県内でリサイクルせっけんを使う暮らし≠すすめているNPO法人「せっけんの街」は、21年前、手賀沼の浄化を願う近隣の約1万人の市民によるカンパで建設された手賀沼せっけん工場を起点にして各地域で力強くその活動をスタートさせました。
 本来なら捨てられてしまうはずの、家庭や施設などからできる廃食油をせっけんの街≠ニいう粉せっけんに再生し、油を出した所で再利用することにより化学物質まみれの私たちの生活の中で、それは有限の資源を守り、河川に棲む微生物や魚たちを守り、更に私たち人間の生命を育む水と大地を守ることの1つの選択でもありました。
 県内各地にステーションを設け廃食油を回収しながらせっけんの話をしていく時、それはただ単に洗濯をするためだけにせっけんなのではなく、どのような暮らし方が生命を守り次世代に安全な環境を残していけるかということも伝えたいと思って活動をしています。
 ひねればすぐ出てくる水道の蛇口の向こう側の水に私たち一人ひとりが負う責任は決して小さくないと思います。


教育基本法の改悪をとめよう!
 教育基本法の改悪の動きに危機感が高まっています。昨年12月、3500人が集まった全国集会で哲学者・高橋哲哉さんは、「国旗・国歌の強制にマスメディアを含めて、強い反発の声が上がらないのはなぜか。戦後生まれた時には、空気のように日本国憲法があり、教育基本法もあった。そこに謳われている民主的な価値、平和主義に誇りをもっていたが、自分たちから渇望し運動して獲得したものではない弱さがある。これほどまでに、思想・良心・教育の自由が侵害されている今、単に憲法や教育基本法に反しているだけでは足りない。そこに謳われている自由を譲り渡すことができないと感じているかが重要だ」と訴えました。
 教育に強制力が入り、平和の根幹が崩れることがあってはなりません。
(岡田さわこ)




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