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交通渋滞もないのに鉄道高架にするの??
1km100億円もかかる!!
身の丈に合わない連続立体交差事業

 まちの中を鉄道が縦横に通り電車が間をおかず走っている大都市では「開かずの踏切」と言うほど踏切は40分以上遮断機がおり続け、車の渋滞は1キロにも及ぶ大変な状況になる。これを解消するのに鉄道を高架や地下にする方式が採られている。莫大な費用がかかり、その殆どは国、県、市の税負担である。  野田市では10年間棚上げになっていた鉄道高架計画(連続立体交差事業)を再浮上させすすめようとしているが、財政負担や交通事情など計画の根拠となるデータを示さず、都市計画審議会での私の質問にあいまいに答えるばかりだった。

―都市計画審議会より─

おち 愛宕駅と野田市駅の踏切の渋滞解消が主な理由だが最近は緩和されているのではないか? 踏切の遮断時間と渋滞距離はどの位か?
市  実態調査はしていないが、渋滞しているようだ。  ←──根拠も示して

Q  高架化は10年後の計画だが、10年後の交通量は減るのではないか?
市  10年後の交通量は確かに減っている。
Q  事業費は220億円で市の負担分が33億円と市は言っているが、県は290億円と公表している。市の負担は44億円に膨らむ。なぜ大きく食い違うのか?
市  まだ詳細設計をしていないので大体だ。
Q  鉄道を高架にする他、愛宕駅や野田市駅周辺の大型道路や区画整理などに莫大な費用がかかるのではないか?
市  50億円から100億円ほど。
市長 高架化は野田市の大きな事業で都市計画100年の計である。国の補助金を集め、できる限り市の財政負担を少なくする。
↑それはムリだ

野田市の連続立体交差事業の概要
7/12 夕方の愛宕駅の様子(5:10)
連続立体交差の概要

●野田市の鉄道高架とは
 現在の単線のレールを上にあげ高架にするので、複線化になることはない。清水公園駅の南から第二中学校の通りまでの間2.9キロ。愛宕駅と野田市駅の踏切の渋滞を解消するというのが主な理由である。
夕方の愛宕駅前

・遮断時間は4分間
・遮断機があがると、停車していた13〜15台の車はスーッと流れた。
・夕方の野田市駅の踏み切りも同じ状況だった。

納得できない! バブル期の大都市なみの発想
 市は渋滞の根拠を示さなかった(隠していた)が、9年前の交通実態調査のデータを入手した。
 愛宕駅のピーク時、19分間遮断。渋滞距離は450m。
 野田市駅のピーク時、19分間遮断。渋滞距離250m。この当時の交通事情から見ても高架の必要性は低い。さらに最近は道路事情も変わったので殆ど渋滞はない。
9月議会で質問予定です

人が歩いて暮らせるまちに
中井 洋子
 市は高架事業についての全体の計画を市民に明らかにしていない。そのうえ高架計画とともに愛宕・野田市駅前の整備や大型道路などの計画もある。駅前広場は必要だが、市が言っている「鉄道高架はまちの分断を解消し、中心市街地の活性化になる」ことには大きな疑問がある。巾20〜22メートルの道路は、高齢化していく人が増えるまちで、かえって人の行き来がしにくい。人が行き交うのに程よい適切な規模や大きさ、ヒューマンスケールのまちづくりが必要ではないか。今の愛宕駅周辺は人が歩いて暮らすには便利なところだ。既存のまちを充実させるほうが先だ。車を使わなければ生活できないまちは子どもや高齢者社会にはそぐわない。この視点から鉄道高架も大型道路ももういらない。
 9月議会では公表されていない事業期間や財政負担も明らかにしていきます。
 市長の言う「高架事業は100年の計」とは全く実現性がないと言うようなものだ。公共事業への国の補助金はすでに削減されており、今後の見通しも不透明であるのに強気の市長発言は目先をごまかそうとするもの。
 必要性の薄い実現性の低い計画に向かって市は走り出している。すでに調査設計費用に2億2千万円使っており、今後も毎年多額の税金が費やされるだろう。今の市民の暮らしを犠牲にして優先する理由はどこにも見えない。財政難を理由に緊急性の高い学校の耐震工事すら実施していないのだから今後益々福祉や教育費にしわ寄せが来るのは明らかだ。
(おち 邦子)


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