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No. 2011年7月 4・5面


市民ネットワーク 6月議会レポート

岡田 さわこ
健康被害の原因は(有)柏廃材処理センターだった!
〜県の健康被害調査分析結果より〜

 (有)柏廃材処理センター(以下、柏廃材センターと表記)による被害は相変わらずひどい状態が続いています。〔薬品臭、燃えカス臭、空焚きをしているような臭い、酸の強い臭いで窓が開けられない、目の痛み、目口喉のヒリヒリする痛みなど〕白鷺梅郷住宅に住んでいる人から、「消毒液の嫌な臭いを感じ息苦しくなった。昨年11月から咳や頭痛、喉の痛みで地元の病院3軒で受診をして薬を服用していたが、全く改善されない。隣の人も喉に痛みを感じる」と被害の訴えがありました。さらに被害は拡がっています。

岡田 県は昨年の8月10日〜25日にかけて、柏廃材センターから500m以内、500m〜1kmの地域、2km離れた地域で、健康被害調査を行い、回収人数は2879名でした。3月24日に、県が正式に依頼した岡山大学の津田教授の分析結果報告が出ました。

県は2ヶ月半もたってからようやくデータを出して来ました。

 「千葉県および野田市が実施した健康調査結果を分析したところ、鼻症状、眼症状の粘膜刺激症状だけでなく、だるさなどの全身症状も、2km離れた地点に比べて500m以内で多発が認められた。施設から500mから1kmの範囲でも程度が低めだが、やはり多発が確認された。また、これらの症状は、施設が操業を始めた3年以内に限ると、より明瞭な多発として観察された。これらの結果は、施設の操業により症状が多発していることを強く示唆している」と柏廃材センターが健康被害を出していることが明らかになりました。
 直ちに稼働を停止すべきではないでしょうか。

市長 柏廃材センターが怪しいと思っているからこそ、対応をさせて頂いています。

岡田 柏廃材センターの産業廃棄物処分業の有効期限が9月21日に迫っています。この許可条件は、 1、産業廃棄物が飛散・流出、及び悪臭が発生しないこと 2、燃焼管理を徹底し適切な管理体制を確保すること 3、環境の保全について万全を期すため、安全で適正な維持・運営管理を行うこととなっています。柏廃材センターは、明らかに許可の条件に違反しています。市長は県に対して更新許可をしないように強く申し入れると3月議会で答弁していました。2日前に県議会議員が確認したところ、県は「市からの申し入れはなかった」と言っていますが、本当に申し入れをしたのでしょうか。

市長 住民の安全を考え、県に対して更新許可をしないように強く申し入れていくお約束をして、5月11日、県に口頭でお願いしました。

岡田 柏廃材センターの建設に当たっては、都市計画法に基づき野田市が開発許可を下ろしました。ですから市長の責任は極めて重大であると考えますが、市長はどう責任をとるのですか。

市長 平成18年6月7日付けで開発行為許可証を交付しました。操業後のこれまでの経過の中でこれだけの問題が起こっているわけですから、県が柏廃材センターに更新許可をしないように文書で申し入れます。

岡田さわこのコメント
 県の健康被害調査で、はっきりと柏廃材センターが原因であると分析されました。開発許可を下ろした市長の責任は極めて重大であり、今議会で答弁した通り稼動停止に追い込むような強い申し入れをするべきです。(私が議会で追求した結果、議会後の7/11に市長は申し入れをしました)
県が柏廃材センターに更新許可をしないように8月中に署名運動をしていきます。


この教科書は子どもたちに渡せない!!
〜育鵬社版・自由社版の問題点〜

 今年は中学校の教科書採択の年です。今回の教科書検定に合格した自由社版・育鵬社版の教科書は、 1、アジア近隣諸国を蔑視 2、日本の侵略戦争、植民地支配を正当化し、戦争を美化・肯定 3、自衛隊の海外派兵の推進 4、憲法を敵視し、男女平等を否定し、改憲を主張 5、原発を礼賛し、危険性にほとんど触れないなど問題の多い教科書です。間違った歴史や憲法観を子どもたちに刷りこみ「戦争をする国」の国民づくりをめざす教科書ですから、子どもたちの未来のためにも学校で使われてはなりません。

市民団体が申し入れ
 「子どもと教科書千葉ネット21」は学校教育の公正・中立を守るため、教育委員会において、慎重かつ公正な審議がされるように要望書を提出しました。また、「子どもと教科書東葛ネット21・野田」は来年度より野田市内の公立中学校で使用される社会科教科書の選定にあたっては「育鵬社、自由社版歴史および公民教科書」を使用しないように申し入れを提出しました。

国連からの勧告
 2010年に開催された国連・子どもの権利委員会は、日本政府に対する「最終報告」を発表しました。この中で「公的に検定されている教科書が、アジア太平洋地域の歴史的事件に関して、バランスの取れた視点を反映することを確保するよう勧告する」としています。この「勧告」は明らかに育鵬社版、自由社版の教科書に対してのものです。

開かれた教科書採択へ
 教科書採択において一番大切なことは、教員自身が教科書を選べるということだと考えます。しかし、今の教科書採択制度では学校単位の採択ではなく、採択協議会制度を導入しているので、学校全体で教員が活発に意見交換をしながら教科書を選ぶという場がないのが現状です。 また、野田市教育委員会会議においては、教科書採択における審議がこれまで非公開となっています。開かれた教科書採択にするためにも、全面公開とするべきだと考えます。(千葉市は昨年度から公開し、船橋市は今年度から公開が決定しています。)残念ながら、今議会でも野田市では非公開と答弁がありました。教科書展示会においても、教科書の内容に踏み込んだ意見を書けるようなアンケートを実施して、市民の意見が反映されるように働きかけていきます。
(岡田さわこ)





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