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No. 2011年7月 2・3面


市民ネットワーク 6月議会レポート

小室 みえこ

二学期制を検証する 「二学期制のメリットとデメリット」

 2002年からいわゆる「ゆとり」教育が開始され、授業時間の削減・授業内容の3割削減・学校完全5日制へと大きくシフトされました。
 野田市では2004年4月より二学期制がスタートしました。8年目に入る今年、学校現場における課題の改善に取り組む中で二学期制の検証をどのように行ってきたのかについて聞きました。


小室 二学期制の導入に際しては、そのメリットを挙げてきました。授業時間の確保、増えた時間で基礎基本の定着、通知表の評価が3回から2回に減るため長期休業前に煩雑だった時期に先生に余裕が生まれるため保護者や児童生徒との面談や教育相談の充実が図れる、課題を明確にして目的意識を持たせることが出来る、中学3年生の進路指導もじっくり話し合えるなどがありました。しかし、デメリットについてはほとんど触れることがありませんでした。実際、デメリットはなかったのでしょうか。また、保護者や教職員から問題点の指摘や心配の声をどのように吸い上げているのでしようか。今後の方向性・見通しについてお尋ねします。

教育部長 導入当時「学期途中にある長期休業の過ごし方、通知表が2回になること、学期につき2回になる定期テストになるため学習意欲の低下、進路を判断する資料が少なくなる」ことが挙げられましたが、それぞれ実態に即した対応を講じておりデメリットはないと認識しています。各学校で実施している学校評価では、総じてプラスの評価を得ています。今後は新学習指導要領の実施に伴い、学習時間の増加が必要ですが、現行制度の中で確保できると考えています。

小室 学校評価については具体的にどのような評価が出ているのでしょうか。また、PTAの役員をしていたときに、教育の日の研修会で二学期制の問題点を質問したところ、周囲も二学期制ありきの反応で反対の意見を出しにくい環境であったことを覚えています。学校評価だけに保護者の声が収まるわけではありません。是非、現場の教職員や保護者の声や異論にも耳を傾けてほしいと思います。

教育部長 学校評価は学校ごとに集計しているため、具体的には出していません。また、意見の吸い上げについては、いろいろな意見があることを前提に今後の会議などに役立てたいと思います。

(小室みえこのコメント)
 今年度は外部の力を借りて客観的に学校現場を見直すとしています。授業時間の確保・学習指導の充実のための二学期制を導入しながら現在の課題が「学力低下と学校の荒れ」である事は皮肉な現実です。現場の先生や保護者、児童生徒が意見を言えて考えを出しやすい環境が必要です。それにしても、「二学期制になってよかった」という声を周りで聞いたことがないとする保護者とデメリットがないという教育委員会のズレはいったいどこから生じるのか? 今後も考えていきたいと思います。


まだ、原子力に頼る? エネルギー政策について

 今春、千葉県でも統一地方選挙が行われそれぞれの政党・候補者がこの福島原発事故からの教訓として、今後の対策を「安心・安全な街づくりや防災対策の強化」を訴えていました。エネルギー政策・脱原発・NO!原発を訴えている候補者はいませんでした。
 以前より原発に反対してきた市民ネットワークは原発に対して、その立場を明確にしました。


小室 地震津波による被害と福島原発の事故から3ヶ月以上が経過しました。原発事故は収束の見通しも立たず、今後も困難が予想されます。
 原発事故が原因で避難された皆さんは、住み慣れたふるさとを追われ、仕事を失い、希望を無くし、今後自宅に戻れるのか、戻れないのかという大きな不安を抱えています。子どもたちは安心して学習する場を奪われてしまいました。被害の広がりは、野田市にまでおよび広域的な被害が深刻です。ホットスポットと言われる地域には、緊急な対策も必要です。
 私たちは、放射能で汚染された土地で生活していくことを覚悟した上で一人一人がエネルギーのことを考え将来のエネルギーの在り方を考えていくべきです。大きな被害を出してしまった事実をもっても原発に頼るのか?エネルギーの転換をしっかり議論しなければなりません。市長のエネルギー政策の考えをお聞きします。
 また、県が補正予算に太陽光発電の独自補助事業を新規で付けると聞きましたが、市の取り組みはどのようにすすめるのでしょうか?

市長 本来だったら全面ストップし自然エネルギーにシフトすべきだと私も思っています。が、石炭、石油、ガスどれをとっても二酸化炭素の排出を考えるとそれらを復活して行くのは危惧しています。自然エネルギーと云う方向に持っていくときに全量固定価格の買い取り制度とした場合、誰がお金の負担をしていくのか、また夜間電力の安定の問題、蓄電技術の向上などそれぞれに努める必要があるでしょう。
 県の太陽光発電の独自事業制度を取り入れるつもりで9月議会に補正予算を計上していこうと考えています。

(小室みえこのコメント)
 あるシンポジウムに参加した際、原発に関わったことのある技術者が、「ギブアップなんて、とんでもない」「40年のこれまでの技術を無駄にはできない」と発言していました。
 再生エネルギーへの転換にも多くの課題があります。しかし、安全神話のもと、多くの事故を起こしながら公表される事なく、使用済み燃料の処理方法も未解決のまま、原発は推進されてきました。しかし、ここでしっかりと舵を切りなおさなければなりません。今なお、福島原発は危険な状況であり、汚水を循環注水冷却に使う方法が何度もトラブルを起こしながら、一進一退が続いています。しかし、汚水から除去した放射能はドラム缶にためられていきます。その置き場はどうするのでしょう。山積みのがれきや汚泥の処理は?? まだまだ、危険は続いています。






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