野田市長 根元 崇 様
2009年10月5日

市民ネットワーク・のだ  中井 洋子
市民ネットワーク・のだ 岡田 さわこ

野田市2010年度予算編成及び施策に関する要望書

 私たち市民ネットワーク・のだは、民主主義の基本として市民自治によるまちづくりをめざし、日頃の調査・学習活動から生まれた市民の視点を生かし、政策提案を行っています。
都市間競争に勝つことをめざした土木偏重型予算では、合計特殊出生率1.25、高齢化率20.34%と少子高齢化のすすむ野田市において、市民の望む思いや声を反映させることができるのか、市民の監視と検証がますます必要となります。
2010年度の予算編成にあたり、ぜひ具体化していただきたい重点施策を下記の通り要望いたします。

まちづくりの基本原則や情報公開について
  • 本来の住民自治を生かすよう「自治基本条例」の検討を早急にはじめる。
  • 審議会などは市民公募を原則とし、委員選定の根拠を明確にする。
  • 意思形成、政策形成過程に市民が公平に参画できる様々な場を設け、市民へ充分に説明責任を果たしていく。
  • 市民参加の手法としてワークショップやタウンミーティングなどを取り入れる。
  • 情報公開条例の運用を改善し、市民と行政が情報を共有できるようにする。また様々な手段で市民に情報の提供と公開を積極的にすすめる。
  • 意思形成、政策形成過程に市民が公平に参画できる様々な場を設け、市民へ充分に説明責任を果たしていく。
非核・平和について
  • 世界唯一の原爆被爆国民として、核兵器の完全禁止と廃絶を希求し、世界の恒久平和確立のために「非核平和都市宣言」を行う。
  • 核兵器の製造につながる危険性を持つ原子力の利用、とりわけ六ヶ所再処理工場の稼働、もんじゅ運転、プルサーマル導入によるプルトニウム利用の即時停止を国に求めていく。プルトニウム輸送については、野田市直近の常磐道を利用することから考えても即刻反対表明を国に申し入れる。


総合計画について
  • 委員は、市民公募による市民参加とする。
  • 素案づくりは、きめ細かく市民意見を反映させるために、要望に合わせた市民との意見交換ができるタウンミーティングを随時開く。
  • 各種懇談会のほかに市民の要望に合わせた懇談会を随時開く。
  • 新規事業の実施計画は、各施策について財源を明確にし、実効性のあるものにする。
財政について
  • 地方債や退職金などの将来負担となる財務表を公開していく。
  • 財政健全化判断比率の実質赤字比率と連結赤字比率は、黒字であっても、数値を公表する。
  • 財政状況を市民にわかりやすく公開するため、特別会計や企業会計を一般会計に連結させたバランスシートで財政支出を明確にし、将来の借金がどの事業から生じてきたのかを明らかにする。
  • また、市長任期中におけるすべての公債費の返済計画をたてる。
  • 内部監査とは異なる視点での監査が重要であるため、外部監査制度を導入して、包括外部監査と個別外部監査が実施できる事とする。
  • 地方分権、自立改革のため国に対し地方への税源委譲をすすめるよう働きかける。
行政改革について
  • 指定管理者制度導入については、公共の施設は福祉の増進を目的としていることから、単に経費節減をはかることだけでなく住民へのサービス提供の質の低下とならないことを優先する。
    また、「基本方針」や「指針」に個人情報の扱いや兼業禁止などの基本的考え方を示し、条例化する。事業者選定は公募市民などの外部からの選定委員で公正に審査をおこなう。さらに事業者報告書による議会への報告を義務付け、管理業務のチェック体制をつくる。
  • 民間委託は、行政評価システムを導入し、市民サービスの質が低下しないよう充分検証する。
    また委託先の情報公開のチェック体制をつくる。
  • 公平な補助金制度とするため、明確な交付基準を設け、毎年見直しを行う。また、選定方法にあたっては公開を基準とした公募制とする。
  • 医師会、歯科医師会への支出の透明性のない補助金は、必要性はなく全額廃止とする。
  • 温泉地で開かれる泊りがけの自治会連合会会議の補助金は見直し、廃止する。
  • 談合を防ぐために、基本的に全て一般競争入札とし、郵便入札や電子入札を導入する。
財政について
  • 地方債や退職金などの将来負担となる財務表を公開していく。
  • 財政健全化判断比率の実質赤字比率と連結赤字比率は、黒字であっても、数値を公表する。
  • 財政状況を市民にわかりやすく公開するため、特別会計や企業会計を一般会計に連結させたバランスシートで財政支出を明確にし、将来の借金がどの事業から生じてきたのかを明らかにする。
  • また、市長任期中におけるすべての公債費の返済計画をたてる。
  • 内部監査とは異なる視点での監査が重要であるため、外部監査制度を導入して、包括外部監査と個別外部監査が実施できる事とする。
  • 地方分権、自立改革のため国に対し地方への税源委譲をすすめるよう働きかける。


福祉施策について―全ての市民の人権を尊重し、幼児、高齢者、障がい者、誰もが自立した生活を送ることができるようにするために福祉予算の充実をはかる。
  • 船形の第2福祉ゾーンに計画中の重症心身障害児施設は、平成21年開設予定が大幅に遅れているが、東葛地区に必要な施設であることから県・6市の協力の下、早急にすすめる。
  • 第13回野田市市民意識調査で市民が医療や介護に関して大いなる不安と不満を持っていることが明確になったが、今後さらに医療や介護について詳しい調査を実施し、改善案の策定を行い、結果をホームページで公開する。
  • 現在市内でリスクの大きな出産に対応できる産婦人科がなく、夜間休日への不安も大きい。少子化解消や若い年代が定着を考える時の弊害となっているので、早急に打開策を講じる。
  • 在宅・施設サービスともに、人間としての尊厳を尊重した質の高いサービスを提供し、在宅介護を基本にその地域で自立できる生活を支援していく。
  • 福祉および介護保険サービスについては、市民の権利を擁護し苦情などを解決するため、行政から独立した第三者機関(オンブズマン制度)を設ける。
  • 介護福祉用品の購入は、初めから金額の1割を払えばよい受領委任払いにする。
  • 保健師などの専門家の支援体制を充実させる。
  • 申請手続き等は、迅速・簡素にしていき、利用の少ない福祉タクシーの利用方法の見直しなどを行う。
  • 訪問介護サービスを市民が積極的に利用できるよう、体験サービスなど新たな工夫をする。
  • デイサービスは、障がい者、高齢者、児童が一緒に利用できる一体型デイサービスとする。
  • 地域の高齢者が気軽に集まれる居場所つくりの支援をする。
  • 後期高齢者医療による負担が、高齢者の生活に及ばぬようその軽減を国や県に求める。
  • 民生委員と連携出来るシステムを地区社協・ボランティア、行政とともに作り、地域の高齢者の自立支援をきめ細かく図っていく。合わせて高齢者虐待の実態調査や独居老人の安否確認の支援体制を整える。
  • 障がいのある人の地域生活を支える「地域生活支援事業」を充実させる。
環境施策について
  • <自然環境保全>―わたしたちの生活は、地球を取り巻く環境に関わりがあるという視点に立ち、全ての行政施策について環境との共生を考えたまちづくりを行い、環境自治体をめざしていく。今ある自然環境、自然資源を維持・保全する方策を講じる。
  • 市街地の緑を残すため、環境指針を盛り込んだ「みどりの基本計画」を市民と共につくる。
  • 自然環境保全の立場から「野田市内の環境調査」を定期的に実地し、そのデーターから残すべき自然を位置づけ、これを保全するための制度を創設する。
  • 市内の「やま」や「市民の森」は、今ある自然環境を維持し、市民と共同で保全していく。
  • 江川地区は、貴重動物、昆虫、鳥類が生息する生態系豊かな自然環境であり、最大限その環境保全をしていく。また農業生産法人による復田作業についても、農薬や化学肥料の使用を避け、その生態系を守ることを第一とする。
  • 江川地区樹林地保全については地元住民と話し合い、理解を求める。
  • 江川地区のブランド米は、誰もが安心できる全国平均値のカドミウム含有量となってから、学校給食に使用する。
  • 街路樹や公園の樹木は、街路樹剪定士などの専門家や地域住民による市民委員会を設置して、地域・場所に応じた剪定管理や樹木の選定を行う。
  • 環境省の「公園、街路樹等病害虫・雑草管理選定マニュアル」に沿ってできるだけ農薬を使わないようにする。
  • 化学物質管理法(PRTR法)に基づいた合成洗剤の毒性を認識して、公共施設や学校では有害化学物質を排出しない石けんを使用する。
  • 地震など危機管理の点でもっとも危険な施設である原子力発電所は、安全管理の再点検を行い、縮小するよう国に求める。
  • 原子力に頼らない自然・新エネルギー政策の推進を国に求める。


まちづくり(都市計画)について―全ての市民の人権を尊重し、幼児、高齢者、障がい者、誰もが自立した生活を送ることができるようにするために福祉予算の充実をはかる。
  • 野田市駅前西地区の開発は、地権者だけでなく広く市民参加でまちづくりをすすめ再検討する。また駅や駅前広場は、野田市に残された重要文化財や醤油醸造工場、大正・昭和の面影を残す街並みと一体感を持たせるようすすめる。
  • 東武野田線の連続立体交差事業の全体計画の財政負担を市民に説明すると同時に、費用対効果を検証する第三者機関をつくり、「開かずの踏み切り」のない野田市の高架事業化は見直しをする。
  • 下水道建設費が財政的負担となることから、コミュニティープラントを公共下水道とするなど地域の実情に合わせた見直しを行う。
  • 景観の視点を盛り込んだ地区計画をすすめ、調和・美しさの感じられる街並みを形成するために景観条例や高さ制限に関する条例の制定をすすめる。
  • 住民が良質な地区計画をつくれるよう積極的に情報提供をする。
  • 緑地保全のため宅地開発要綱を見直し、面積に応じて緑地率を増やす。
  • 「みずきの街」の物流センター建設計画のあった誘致施設地区については、今後一戸建てにふさわしい良好な環境になるよう、開発業者に指導する。また将来的に用途地域を第一種低層住居専用地域に変更する。
  • 市施工の次木親野井区画整理事業については、バランスシートを作成し、なし崩し的に税金投入していた事業の見直しをする。
  • 環境省の「公園、街路樹等病害虫・雑草管理選定マニュアル」に沿ってできるだけ農薬を使わないようにする。
清掃・ゴミ問題について―ゴミの焼却主義を見直し、発生源からの減量を推進するよう国・企業に働きかけ、環境に負担をかけない資源循環型社会をめざした施策を具体化していく。
  • 老朽化のすすむ清掃工場の実態を認め、新たな建設計画を公募市民や有識者を入れた審議会で調査・研究していく。その中で候補選定についても市民に公開しながら協議・決定していく。
  • 清掃工場の運転管理については、第三者の専門機関に検証させ(精密機能検査とは別に)情報公開を徹底し、地元住民が定期的に監視するための場をつくる。 また地元住民の不安をなくすよう、ダイオキシン測定をリアルタイムに行う。
  • 南部工業団地内の産業廃棄物処理施設の事故については、原因の徹底究明をし、県と協定を結び、迅速な市独自の立ち入り調査も行う。
  • 城宿地域に不法投棄されたままになっている産廃は、県の勧告を受ける前に早急に処理する。
  • ゴミ袋への氏名記入はプライバシーの侵害であり、早急に中止する。
  • ゴミ袋の報償制度(トイレットペーパー交換)は、市民のゴミ減量の意識につながり一定の目的を達成したので廃止し、その財源を市民が取り組みやすい資源回収の方法に充てていく。
  • 資源回収の補助金制度は自治会の収入になっているが、自治会の自主的取組の妨げになるので中止する。
  • 登録業者の持ち込みゴミの分別を徹底する。
  • 県の「廃棄物処理条例」を遵守し、産業廃棄物の不法投棄や処理については厳しく監視していく。
  • 容器包装リサイクル法について、自治体負担を減らすよう国に働きかける。


交通・道路について―車優先社会から人を優先する視点にたち、市民の足として公共交通を整備していく。また安心して快適に歩ける生活道路を整備し、市内の歩行者優先の道路交通網体系づくりを行う。
  • 梅郷駅周辺整備については予算をしっかりつけて、年次計画通りにすすめる。
  • 自転車駐車場料金は、パブリックコメントやアンケートなどで市民の意見を反映させ、近隣市並みの料金とする。
  • 新たな都市計画道路の計画を見直し、傷みの激しい生活道路や歩道を集中的に補修や再舗装する。
  • 通学路の安全は、次世代育成推進法に則り優先的に歩道を整備し防犯灯など設置する。
  • 通学路や住宅地など必要性の高いところから40ワットの防犯灯に切り替えていく。
  • 大型車両の流れを整理し、歩行者優先の市内道路交通網計画を作り、整備を進める。
  • 安心して歩ける歩道整備のため、歩道の切り下げはマニュアル化し業者を指導する。
  • コミュニティーバスは市民の利便性を最大限重視し、増便やルートについてもニーズや交通状況を充分調査し実施する。検討委員会委員については市民公募として、議事録のホームページ上の公開で透明性をはかること。また意見が公平に反映されるシステムを作る。
  • 山崎吉春線は交通量が増していることから、早急に信号機設置などの交通安全対策をはかる。
  • 東武線運河〜梅郷間の複線化は、東武鉄道が実施するように働きかける。
女性施策について―女性を取り巻く環境は未だに大変厳しいものがあり、その能力を充分に発揮できていない。女性問題を真摯に考えていくことは、男性の生き方も問い直し、社会の権力構造を変えていくことである。
  • 各個人がお互いを尊重し、ともに責任を担い合い、生きやすく、暮しやすい社会へさらに近づくよう、男女共同参画条例を制定する。また条例については「男女が互いの人格を尊重し、性及び子を産み育てることについて、理解を深め、自らの意思で決定すること」を盛り込む。
  • DVシェルター、ステップハウスの運営体制を整え、経験と蓄積をつんだ専従の職員を置く。また、充分な予算措置で人件費の確保と定期的な研修を行う。また利用者の処遇については、専従職員も男女共同参画課の職員と同等の決定権を持たせる。
  • DV加害者の問題解決のため、加害者更正プログラムについての取り組みを始める。
  • 市の職場におけるセクシュアルハラスメントをなくすため、職員の意識啓発・研修に取り組む。
  • 男性も積極的に育児ができるように、男性の育児休暇制度を市が率先してすすめる。
住民基本台帳ネットワークシステムについて
  • 全国民に強制的、一元的に付番される住基ネットは、個人情報の漏洩や目的外使用のおそれがあることから、充分なシステムの安全性を担保する。
  • 住基ネットでの個人情報の利用中止を求める市民には「個人情報保護条例の利用中止請求権」に基づき当該個人の情報を削除する。
  • ICカードについては、市独自の利用を盛り込まない。


文化施策について―市民の自治能力を高め、市民文化を育てるために諸施策を推進することが必要である。
  • 市民会館は文化的価値を尊重した「旧茂木佐邸」などに改名し、市民に親しんでもらう。
  • 興風図書館は指定管理者を導入せず、図書館行政の中心としての機能を充実させるために職員を増やし、野田市の文化継承を担っていく。また関宿地区の「城下町文化」を継承していく。
  • 商店街の空き店舗利用などで、市民文化を育てるための「まちづくり発信拠点」を市街地に設置する。
農業について
  • 安全安心な地産地消を積極的にすすめるよう、農家と消費者をつなぐ工夫を講じる。
  • 有機農法を積極的に支援し、無人ヘリコプターによる空中散布は中止する。
子どもと教育について―「子どもの最善の利益」を優先し、全ての子どもの人権が最大限尊重されるような環境をつくっていくことが必要である。
  • 「子どもの権利条約」の周知・徹底を行い、教職員の人権意識を高め、理念を具現化することに努める。
  • 「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱の強制を行わない。
  • 小・中学校施設の耐震化を早急にすすめる。
  • 教育委員は公募を原則とし、選出にあたっては積極的な公開をして透明性をはかる。
  • 学校での管理教育を改め、体罰を容認するような体質を変えていく。
  • 子ども自身のエンパワーメントによりいじめ・性的虐待などから自分を守れるCAPのようなプログラムを学校教育で実施する。
  • 教科書採択については皇国史観の教科書を採択しない。
  • 学校図書館司書をすべての小・中学校に配置する。
  • 問題の多い全国学力・学習状況調査には参加しない。
  • 教職員がゆとりを持って授業のあり方を工夫できる少人数学級とする。
  • 統合教育をめざして、振り分けのための就学時検診を廃止する。
  • 在日外国人の子どもや、障がいを持った子どもなどマイノリティーを認め合う教育をすすめる。
  • 食育を学校給食の現場として、教員、栄養士、調理員の研修を充実させる。食材について無農薬を基本とした安全な地産地消とし、遺伝子組み換え食品や放射性照射食品、安全性に疑いのある輸入品は使わない。また食の安全についての意識向上させ、過剰な塩素消毒や合成洗剤の使用をやめる。
  • 生活習慣予防検診やモアレ検診など集団検診をやめ、必要に応じてかかりつけ医で行う。
  • 学校のバリアフリー化をめざし、車イス対応のトイレやスロープなど施設整備を早急にすすめる。
  • 障がい児(LD児、多動児なども含む〉の特別支援教育にあたっては学校での介助員を確保する。
  • シックスクールに関する教職員の認識を高めるため、環境省認定の化学物質アドバイザーの研修を実施する。
  • 学童保育は、千葉県放課後児童クラブガイドラインに沿った運営をして分割や新設にあたっては保護者や指導員との十分な話し合いと合意を基本にする。
  • 保育所の指定管理者は、これ以上導入しない。また保育の質よりも経営効率に重点をおいた現在のあり方を、保護者を交えた運営協議会を発足させて改めていく。
  • 乳幼児検診は、かかりつけ医師に移行させる。
  • 小児慢性疾患医療費は、市独自の助成を行う。