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愛宕駅イトーヨーカドー跡買い取りへ
市が民間事業に乗り出すのか?
野田市開発公社が15億8700万円円で購入

 愛宕駅前のイトーヨーカドーが2年前に撤退し空きビルが放置され寂れている状態であった。市開発公社は、老朽化したビルを含む跡地と関連用地(1.3ha)を買い取り、ビルを解体した上でヨーカドー部分をスーパー用地として売却、一部を商業者に貸すという計画を打ち出した。
 建物や敷地に多重債務が設定されていたため、債権者代表の整理回収機構が競売にかける手はずであったのを、市土地開発公社が購入することにした。開発公社がこのような異例の事業をするための定款変更と土地建物の購入と解体・造成費用の15億8700万円余り(限度額)の借金を野田市が債務保証する議案が9月議会の大きな争点であった。

異例の公金投入

 私たち市民ネットワークは税金を使う公益性と良質のまちづくりの観点から問題を指摘した。民間事業に税金を投入する公益性がどこまであるのか、本来は地権者等が自由に売り買いする市場に公金を投入する形で市が介入するということは、倒産した個人や企業の店を税金で買い取って他の企業に売るということである。本来、民間不動産業がする仕事である。
 市長は競売にかかるとパチンコ店が買ってしまうと不確かな情報を流し、排除するには買い取るしかないと強硬に言い張っていたが、他の選択肢はあったのだ。競売にかかるまで2年間もあったのだから風俗店を規制できる地区計画をかけることができたはずだ。その上で競売にかけ市場に委ねても、風俗店は進出できないことになる。
 柏市では地区計画を有効に使い、駅前に葬斎場ができるのを規制している。数年前に増尾駅前に住民の反対にも拘わらず斎場ができたことから、他の全ての駅前に斎場を規制する地区計画をかけ、まちの環境をを守る努力をしている。
 柏市の例を示し私は「行政が行うべきは公金投入することではなく本質的に取り組み地区計画をかけること」を提案をしたが、市長は「規制をかけるのは全体主義だ」とすじちがいの封じ込め発言で押し切った。

とりあえずの対症療法

 競売にかかると、「パチンコ店が買う、それに、市が買う値段(15億8700万円)よりずっと高くなる」ので、競売の値段より安く市が入手してヨーカドーに売るという。しかし納得いかない説明である。
 ヨーカドーの便宜を図るようなことをせず健全な市場競争に任せるべきではないか。
 野田市のやり方はパチンコ屋が出来る、大変だ(これもホントかどうか分からない)では、その土地を買ってしまえばいいと、とりあえずの対症療法をしたにすぎない。しかし、こんな場当たり的な方法では、市が買い取った後、首尾よくスーパー(イトーヨーカドーが買うというのも不確かという)が来たとしてもまた撤退し、民間業者の都合次第でパチンコ店等の風俗店になる可能性は十分ある。また、その時にも買い取るのか。このような手法は賛成できない。

将来まで保障できる地区計画を!

 市土地開発公社はこれまでにも七光台や船形の開発でゼネコンの便宜を図り公金を注ぎ込んでいる。またしても、市民のためを装いながら民間業者に便宜を図る巧妙な手口を使っている。今回、公社の定款変更により店舗用地の売買や貸付業が出来るが、今後は公社を隠れ蓑に恣意的判断で市場への公金投入が堂々とまかり通ることになるのも恐い。
 9月議会で、市土地開発公社が購入する事は決定したが、それでもまだ、地区計画をかけることはできる。ヨーカドーが出店したとしても、撤退の可能性もあるのだから、将来にわたって風俗店などが来ないよう規制をしておくべきだ。この提案すら受け入れない市長の対応に疑念が湧く。競売よりも安くヨーカドーが買えるよう算段しているとしか思えない。
 公金を使わずともソフト面(制度)でいいまちづくりが出来る方策を選択しない市長に異議あり!だ。
 しかし、ねばり強く提案し続けます。
(おち 邦子)



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