踊る大教育改革
〜教育基本法・教科書が危ない〜

 今年は、自民党のみならず民主党等も含む右派政治勢力・経済界・教育官僚が結託し、彼らの主張する「教育改革」に乗り出して来る年になる。その具体的な焦点が、1月〜6月の通常国会における教育基本法「改正」と、7〜8月の小中学校の教科書採択だ。

 戦前・戦中の教育への反省から、日本国憲法の理念を教育において具体化すべく、個人の尊厳を強調し、平和的な国家の形成者育成を教育の目的と定め、教育行政の目標をその条件整備に制限するよう定めているのが、現行の教育基本法だ。
 これを快く思わぬ前述の人々は、教育や若者に生じている問題をこの教育基本法が原因と言いふらし、教育の目的を再び国家に奉仕する国民の育成に戻し、政治家・官僚がその目的のために使える権力を拡大せよとずっと主張して来ている。しかし、戦後政治の過程で、すでに教育基本法の当初の理念は捻じ曲げられあるいは無視され、政治家・官僚による公教育への支配力は年々強化され、逆に現場教員の裁量権は狭められ続けている。彼らの主張が正しければ、日本の教育や若者の状況は年々良くなっているはずだが、現状は見てのとおりだ。彼らの教育政策は、つまりは中央政府・官僚による方法から内容にわたる現場統制と弱者切捨てという、社会主義と資本主義の「悪いとこ取り」。それを正当化・強化するような教育基本法「改正」が、教育や若者を救うどころかさらに苦しめるであろうことは言うまでもない。

子どもの平等な育ちと教員に裁量権を!
 教育行政は統制ではなく子どもたちの平等な育ちのための条件整備に徹し、現場に大幅な裁量権を与えて責任も取らせる、という、現行教育基本法の趣旨にたち返った教育改革こそが日本の進むべき方向だ。現場の教員は、今こそ「教育は会議室でやってるんじゃない、教室やグラウンドでやってるんだ!」と叫ぶべきである。
 教育基本法「改正」は国会情勢で先送りの可能性があるが、必ず行われるのが教科書採択だ。「新しい歴史教科書をつくる会」なる団体をバックに作られた、実は古い国家主義・軍国主義的主張の色濃い中学校の歴史と公民の教科書が鳴り物入りで登場しながらほとんど採択されなかった、という出来事をご記憶の方も多いと思うが、4年毎の採択が今年夏に迫り、実は教育基本法「改正」を主張しているのと同じ人々が、その改訂版の売り込みにまたもや奔走している。その前哨戦はすでに始まっていて、この教科書に有利になるような採択制度を求める請願が野田市を含む各地の議会に提出され、採択されてしまっている。
 教育基本法「改正」問題と合わせて、私たちが主権者として、納税と引き換えに教育サービスを受ける受益者として、自分たちの首を絞めるような内容の教科書を政治家や官僚が押し付けて来ることを拒否し、よりまともな教科書を買え、という意思表示をはっきりしなければならない年であることを、皆様にはぜひ知っていてほしいと切に思う。
子どもと教科書全国ネット21 山本 一郎

旧ヨーカ堂横の路地買収
安心して通れるように
 愛宕駅西地区がイトーヨーカ堂やみずほ銀行の撤退で空き店舗になり1年半が経つ。寂れたような薄暗い路地なので、多くの人から「通るのが怖い」という声があったが、市長は「私道なので手はつけられない」と答弁していた。12月議会で1億2400万円を計上し、県道から懐石「愛宕」までの間約200メートルを現状の4m幅のまま買収することとした。20m幅に広げる計画はあるが、予想もできない程遠ーい話である。旧ヨーカ堂や跡地も関係者と協議し方針を決めていくとしているが、一部とはいえ市道にするのだから防犯灯を増やすなど早急に安全対策をとるよう求めている。
中井 洋子

初だけの森を想う
山崎 礼(木野崎在住)

 野田市駅より利根川に向かう木野崎の左側に1キロメートルほど続く森があります。正確にはあったというべきでしょう、今、中ほどの一角が削り取られ大駐車場に変わろうとしているからです。現在の雑木林はクヌギやエノキ、ナラ、ヒノキなどが雑然と生え、下草もかなり密生していますが数十年前は松林で下草も疎らで林の中がよく見通せたものです。つまりそれだけ手入れが行き届いていた訳で、ここは近隣住民の重要な燃料供給林だったからです。毎年、冬には同じ住民が各々の決まった区画に入り、下草を刈り落ち葉を集め松の小枝を鎌で切り落とし、大八車やリヤカーに積んで1年分の燃料にしたものです。だから森はいつもきれいに整えられ、適度に日光も指し季節になれると楢たけやしめじ、絶品の初だけなど天然のおいしいきのこが沢山採れたものでした。しかし戦後のエネルギー革命はこれらを許さず山は放置され、やがて松くい虫が松を枯死させ一時は下草だけのようになった時もありましたが、地は回復力を見せ木々を育てまた森としての姿を再現させました。

 この森の地主は、自然を大切にするという世界的に有名な食品会社の創業者の一員ですので、よもや開発者の手に託すことは有るまいと考えていたのですが・・・。ある集会で、関係会社の人々に、住民や市民たちの協力で森を保全する道もあるので、開発を中止して欲しい旨申し入れたのですが、時既に遅しか聞いてはもらえませんでした。
 もし聞いて貰えたなら、住民、市民、学生や児童など様ざまな人々の協力による森の保全への道が開け、さまざまな知恵が集まるでしょう。例えばみんなで森の掃除、下草や枝落としなど更には松の再植林、初だけ栽培、きのこの収穫期には地主と参加者で初だけご飯大会を催する(まさに大団円)などすれば、苦労に値するのではないでしょうか。それはさておくとしても、NPO、地主、行政+メッセナ企業が協力すれば、騒がしくない地域活性化にもつながるでしょう。

 200億トン、世界中の1年間の炭酸ガス総排出量だそうです。これがいかにトンデモナイ数字か、世界の鉄の年間総生産量が10億トンと言うことからもわかります。でも、この数字を知っても森や畑はコンクリート化され続けています。とするとこの数字はたいしたものではなく、増収のためや、便利で快適な消費生活維持向上などのために森を壊しても、地球温暖化対策は上手く行くのかも知れません。もしそうなら、未来は明るく輝かしいのでしょう、きっと。

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